~悩み相談⑦~
現在、3歳の子供を
育てているのですが、
しつけに悩んでいます。
叱ると逆に反抗されたり、
言うことを聞いてくれなかったり
することが多いです。
どうすれば効果的な
しつけができるのでしょうか?
~考え方~
まず子育ての躾けを考えるなら
何を躾けるか、
誰が躾けるか、
この重要な問題が浮上します。
何故なら、
やって欲しくないこと、
例えば
“言う事を聞かない”
“反抗してくる”
こういった
やって欲しくない事
これに照準を当てるのは
躾けではなく
エゴです。
ではどの様に考えるかと言えば、
子供にどの様になって欲しいか。
これを考えなくてはいけません。
この場合のどの様にというのは
言うことを聞く様になって欲しい
等ではなく
優しい大人になって欲しいとか
体の強い大人になって欲しいとか
そうした子供の幸せを願うところから
出てくるべきであります。
これを言えば、
その為に
言う事を聞いて欲しいんだと
主張する声が
聞こえてきそうです。
では“言う事を聞いて欲しい”
この言う事とは何でしょうか。
例えばトイレにサッと行くから
このテーブルの上の物を
触らないでね
こういった親の伝えた事を
守ってほしいというものかと
想定します。
そうであれば、こういった際に
触らないで!よりも
触らないでいてくれたら
お母さん嬉しいな~とか
これ触らずに
テーブルから落ちないか
見張っていてね!などの
語りかけは心理学です。
子供を上手く誘導する言葉。
これは現代の心理学では
ある程度存在します。
それらの本を1冊購入して読めば
方向性は分かると思います。
しかしそれは躾けとは別物です。
先ほども述べましたように
躾けとはどの様な人間に
育って欲しいのか。
それを考えたうえで
行うことになるはずです。
これを考えた時に
言うことを聞いてくれない!と
心を乱すよりも
親である自分自身が
その躾け方法を知っているのか。
それは大切な問題です。
躾ける側は
知識と智慧が必要です。
そしてその躾けには
慈悲の精神も必要です。
親は子供に対しては
慈悲の精神は持っているよ!
この様にまた声が
聞こえそうですが
親なりに大変な時に
八つ当たりの様に怒っている
親をよく目にします。
これは慈悲とは程遠いもので、
六波羅蜜の忍辱を学ぶべきです。
その上で、
躾けを考えていくべきです。
しかしいくら親子とは言え
子供の年齢にもよりますし、
人間と人間の関係ですから
やはり簡単なものでは
ありません。
親には親の疲れと負の感情が、
子供には子供の
主張と悔しい感情が、
それぞれ諸行無常で変化しつつ、
お互いの変化の中で、
上手く合致する時は
笑顔で楽しめ
喜びの時間が溢れます。
しかしひとたび
合致したタイミングが過ぎれば
お互いの主張が先行し
子供は不満が溜まり
親はイライラしてきて
しまいます。
そうなれば子供は余計に
親に対しても反抗的な態度に
なってしまうことも
仕方ありません。
子供はAIの便利な道具ではなく
親自身と同じ感情を持った
人間なのです。
例えば、
車で遊びに出掛けて
帰る車内までは
楽しい気分で親子で話したりして
良い時間だったものの
家に辿り着けば、
親は親で洗濯しなくては!
水筒やお弁当箱洗わないと!
布団も敷いて!と
バタバタする時間帯。
子供は子供で楽しかった余韻で
家に入っても玩具で遊びだす。
『先にお風呂に入って』
『さっさと片付けなさい』
『うるさいな~』
こうした時間の積み重ねが
子育ての迷いを生み出します。
ここから厳しい言葉になりますが
そもそも子育ての時期は
親は年老いているワケでもなく
十分に体力のある
時期であるはずです。
もちろん日によって
体調のすぐれない
そんな日もあるでしょう。
そんな日は心理を利用し
子供を上手く誘導する様に
仕向けられると良いと思います。
しかし通常では
精神的にも肉体的にも強い時期。
明日の会社へ行く事に
意識がいったりして
現実に戻ってきた親。
だからこそ手間をかけず
言う事を聞いて動いて欲しい。
これは“今”に集中するという
教えから
程遠いものになっており
遊びに出掛けて無事に帰宅。
その瞬間を子供心と一緒に
もっと柔軟に接してください。
そして子供のワガママに
意識をあまり向けずに
叱るのをグッと堪えましょう。
もちろん度を越した
行いをしているならば
叱ることも必要ですが。
そこまでのものでないなら
別に良いかというくらいで
受け流し
親として自身の感情が
乱れることを防ぎましょう。
何故なら
子供のワガママを言う
気持ちもまた
諸行無常であり
ずっとは続きません。
早く用事を済ませて
早く寝かさないといけない
気持ちも分かります。
しかし、その日に少し
寝るのが遅れたところで
長い人生を考えれば
どれほどの影響が
あるでしょうか。
それよりも親が感情的になって
発した言葉が子供の楽しかった
気持ちを壊してしまい
ずっと心に残る可能性も
秘めています。
これをよく理解し、
何が“今”本当に必要なのか。
これを考えたうえで
子供に対して発言する事が
重要なのです。
感情のままに
言葉を発してしまうなら
それはワガママを言っている
子供と同じ立場でしか
ありません。
そんな結末を用意するより
楽しかったねと話し、
少し寝るのが遅くなった分
明日は早く寝ようねと
約束するようなくらい
『まあ良いか』の精神を
持っておく方が
楽に躾けも出来ます。
その方が、
またお互いの気持ちが
合致する時間が
自ずとやってきます。
そして何よりも重要なのは
子育ての時間は
刻々と終わっていきます。
夜鳴きで寝不足になる時期
抱っこしないと泣く時期
着替えさせてあげる時期
一緒にお風呂に入る時期
宿題を教えてと困らせる時期
付き合いで帰りが遅くなる時期
義務教育が終わり進路に悩む時期
家を出ていく日を数える時期
子育ての時期で
躾けの内容も
刻々と終わっていきます。
早く寝ないと明日仕事がしんどい
そうして未来を心配するなら
もう少し先の未来を想像し、
今、子供と過ごせている
貴重な時間の
有難さを実感する方が
とても心が豊かに
なれると思います。
子育ては頑張ってするより
楽しんで気楽に行い
自分は今
“親”を楽しませてもらっている
そんな時間なんだと
感謝しながら
1日を大切に考えて下さい
子供がまだ3歳であっても
一緒に暮らす最後の日は
必ず訪れます
最後の抱っこ
最後のお着替え
最後の『あーん』
最後の保育園
最後の小学校
最後のお風呂
最後のお出かけ
最後の団らん
これらは必然とやってくる
その瞬間に向かって
1日1日が過ぎ去り
残りの限られた日数を
知らぬうちに
減らしていってます
“今”この瞬間に集中せずに
子供の幸福など願えるはずもなく
躾け等は程遠いものです。
本当に子供の幸せを願うなら
明日や未来を心配せず
愛情をもって接し
一緒に暮らせる日の終わりも
また1日近くなったと
思いながら
あなたの子供にかける
慈悲の愛情が
子供の明るい未来を作るのです
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