~悩み相談③~
私はフルタイムで働きながら、
家庭のことも
こなさなければなりません。
仕事のストレスと
家庭の責任が重なり、
うまく両立できずに
悩んでいます。
どのようにすれば
バランスを取れるでしょうか?
~考え方~
現代に生きていると
家庭と仕事の両立を
必死に努力されている方は
珍しくありません。
しかし
それ自体は問題ではありません。
この相談に関しての問題は
そんな生活の両立にあたって
“仕事のストレス”
“家庭の責任”
この2つの感情バランスによって
引き起こされている苦悩が
問題であると言えるでしょう。
お釈迦様の例え話で
楽器の弦というものがあります。
「弦楽器の弦があまりにも緩んでいると、
美しい音を
奏でることはできない。
逆に、弦があまりにもきつく
張りすぎていると、
すぐに切れてしまうだろう。
弦が適度に張られている時だけ、
美しい音色を
出すことができるのだ」
と説きました。
この例えは、
バランスの取れた道を
追求することを強調しています。
生活においても、
過度の快楽や
厳しい苦行ではなく、
適度な節制と努力が
重要であることを示しています。
この例えを話されたお釈迦様も
生まれは
釈迦族の王子の息子として
この世の生を受け、
その後、出家し、悟りを開く為に
数々の苦行を行いました。
しかし苦行が厳し過ぎても
悟れる余裕がなく
失敗に終わり、
裕福過ぎて
ストレスのない生活でも
悟りには程遠いものでした。
そこでどちらかに偏らずに、
必要に応じて
修行を行うようにされた結果
悟りに到達されました。
そしてその修行のいずれの時にも
過去や未来に対して
感情的に働くのではなく
“今”に集中することが
重要と説かれています。
話をこの問題に戻しますと、
仕事でのストレスや家庭での責任
それらを苦に感じる。
こうした背景には
今に集中出来ないと
言える状態があります。
仕事をしている最中に、
その仕事のことに
グッと集中するのではなく
帰ってからの家庭の事が
ある程度
頭によぎっているはずです。
また逆に家庭で家族の為に
動いている時も
一休みする時間でさえも
明日の仕事のことに関して
またも考えてしまっている。
これは今と言う瞬間よりも
未来の心配をしている
状態になります。
また家に帰って今日の仕事での
腹が立つ出来事を
抱えたままになっていて
家族の何気ない素行にさえ
苛立ちを覚えてしまいます。
それは人なら当たり前の
思考じゃないか!
と言われそうですが
その通りです。
しかし、その当たり前の事が
原因で苦悩になっているのです
それを手放して
日々を送ることを学ばなければ
苦悩は消えません
本当は家に帰ってくれば
家で行うべきことに集中し、
休める時間は
ゆっくり自分の時間に
するべきであります。
当然、そうしたいけど
出来ないから
悩んでいるんだという
声も返ってくるかと思います。
そういった際に学ぶべき事は
八正道の正精進です。
八正道は、正しい生き方を示す
八つの要素から成り立っています
この中で、
仕事と家庭の両立に関わる
要素は正精進です。
正しい努力
正精進とは、
無理なく適切な努力を
続けることです。
仕事でも家庭でも、
適度な努力を払い、
無理のない範囲で
最善を尽くすことが
求められます。
過度の労働や
過剰な家庭の負担は避け、
バランスを取る努力が重要です。
せっかく頑張っているのに、
仕事も家庭も頑張り過ぎで
感情的になったり、
体調を崩すようなことになれば
元も子もありません。
100%やり遂げるという
認識から80%、70%くらいで
余力を残した状態に
持っていく為の
方法を探しましょう。
ここからは
厳しい言葉になりますが、
仮に借金を作ってしまった等、
どうしても無理してでも
働かないといけない状態で、
尚且つ、
家庭でも誰も手伝ってくれない。
この様な場合、、、
自因自果というものを
考えなくてはなりません。
借金をしたのは誰か
家庭の相手を選んだのは誰か
仮に騙されたとしても
騙されたのは誰か
これを自分ですと受け止めて
自分が蒔いた種が
結果として目が
出ていると理解出来ます。
現在の苦悩は
自分が蒔いた種を
刈り取る時期に
きたということです。
確かに精一杯頑張るしかないかも
しれません。
しかし世の中は諸行無常です。
そんな刈り取る作業も
ずっと続くことはありません。
広大な土地にたくさん植えた稲も
刈り取りは大変だけど
終わりは必ずあります。
ですので、この問題は
正精進を学びつつ
バランスの取れた
両立に出来るか、
自因自果を受け止め、
育った芽を刈り取ることを
受け入れる。
この2つの道が
考えられるはずです。
しかしお悩みを拝見すると、
仕事がストレス
家庭は責任とあります。
これが逆で、
仕事は責任で
家庭はストレスであるならば、
何らかの理由で仕事を
減らすわけにもいかない
責任があり、
それらを安られげるはずの家庭も
ストレスであると考えられ
それは、
自分の捲いた種の結果で、
逃げるべきものではない
可能性があります。
しかし今回は
仕事がストレス
家庭は責任での苦悩ですので、
バランスを取る事が
出来る状態かと思われます。
これまで仕事も家庭も全力で
100%を出して走ってきたのは
真面目で
責任感の強い人だからです。
素晴らしい人格であると
分かります。
ここで、その素晴らしい人格に
余裕を持たせることで
さらに人として成長出来ることと
思います。
お悩み相談